その時ヴァルシャンに電流走る──!
相変わらずギスギスなう。
メッティウスさんたちはイルサバード派遣団との対話を望んでいるみたい。
とはいえ、この様子だとこちらにとっていい話ではないんだろうな……
だからといって、うに達が勝手にそれを拒むこともできないし。。
ユルスは、二人をひとまず近くて安全な場所であるテルティウム駅まで送って行くことに。
その間、ヴァルシャンは「この国への理解を深めるため」セナトゥス駅への入場許可を求めた。
この様子じゃ、てっきりすげなく断られるかと思ったけど……
グナエウスさんは意外にもすんなり承諾してくれたんだよね。
妙なことをしないように、としっかり釘は刺されたけれど^^;
この人は頭に血が上って反対だー!と唱えているわけではないのかな?
だとしたら、じっくり話し合うことができればお互いの妥協点を探ることだってできるかも?
何はともあれ、ヴァルシャンの提案でチャンスがつかめたんだ。
気が変わらないうちに、うにとヴァルシャンとゼロはセナトゥス駅へ。
セナトゥス駅 避難所へ
こちらは要人たちが詰めているだけあって、テルティウム駅とはまた雰囲気が異なるかんじ。
元はどちらも駅として使われていたから造りは同じなんだろうけど、こっちは入口にガードマン的な人を置いていたり、書物や質のいい調度品が持ち込まれていたりする。
それでも快適というには程遠いだろうけどね。
ここの人たちにも話を聞いて回ったけど、まあ感触はよくないよね。。
理性的な人が多いから強い反発こそされないものの、明確に拒絶の意思が感じられた。
しかし一方で、派遣団からの支援自体は受けたいと。。
第三者視点で見ると、都合のいい言い分ではあるなと思う。
ただ自分が当事者だったらやっぱり同じことを考えてしまうかもしれないし、それに彼らの望み自体を否定することはできないから難しい……
(許容できるかどうかは個別のケースによるけれど)
うぎゃっ なになに?!
突然構内から聞こえてきたのは、言い争うような人の声。
さっきまではそんな気配なかったのに……一体何事?!
急いで止めに入ろうとすると、合流しようとここに来ていたユルスも駆けつけてきた。
状況を整理してみると。。
言い争っていたのは、イルサバード派遣団の団員と、セクンドゥスという元帝国兵風のいでたちの男性だった。
言い争いの原因は、魔導兵器の排除の許可について。
派遣団による支援物資を届けるためのルート上に魔導兵器が徘徊している。
派遣団の安全のためにはこれを排除しなくてはいけないが、セクンドゥスにそれを却下されてしまい。。
いやいやいや、流石にそれは(帝国側の)ムシがよすぎるんじゃない?
支援物資は欲しい、でも魔導兵器の排除は許さないって。。
助けてもらう以上、派遣団の安全くらいは確保させてくれてもいいと思うなあ。
それがダメなら、せめて自分たちで物資を受け取りに来るべきだと思うけど。。
しかしセクンドゥスの言い分を聞くと、どうもこれは彼の判断ではなく政務官からの命令らしい。
帝国の技術が流出する可能性がある、って……
でもだからといって、派遣団の人たちを危険に晒してまでそれを主張するのはひどいと思うのだ><
ゼロの言う通り、これはずいぶんややこしい問題になってきたぞ。
今のガレアン・コミュニティと派遣団の関係はなんて言い表せばいいのか……
うまく言語化できないってことは、どうやって折り合いをつけていいのかもわからないってことだ。
しかし、このゼロの言葉に反応したのがヴァルシャン。
どうやら何かいい考えが浮かんだみたい。さっすがラザハン太守!
さっそくこの件で派遣団に話をつけるべく、ルキアの元へ行ってみることにしよう。
ギスギスだらけのガレマルド。
それぞれの立場の思惑が交差する中、果たしてうに達は折衷案を見つけることができるのか?
次回「うにと玉座の咎人 その4」絶対見てくれよな!
余談
(巻きで進めてるはずなのに……書くことが……書くことが多い……!!)←うに、心の声
たぶん「その1」の半分がカレーなことが敗因だったと思うのだ^^;
↑このカレー、レトルトのくせにくそ高いけどガチでうまい
スパイス結構効いてるから、ラザハン気分に浸りたい日にもおすすめだよ〜
もしかしたらバブイルの塔だけでなく、ガレマルド内での様々な権限を手放すよう、強く要求するつもりかもしれない。。