賞金稼ぎ「ケリッグ」との出会い
彷徨う階段亭で出会った賞金稼ぎ・ケリッグ。
彼ははぐれ罪喰いの「プロネーシス」討伐を狙っているんだとか。
とはいえ、うには第一世界の事情をまだあんま知らないんだよなあ。
世界の破壊を防ぐため、世界の平和を守るため。
ラブリーチャーミーな冒険者として、お手伝い自体はやぶさかではないんだけど。。
プロネーシスが何者なのか、ケリッグの知ってる範囲で教えてもらお。
はぐれ罪喰いの中でも最上級の力を持つ、通称「四使徒」。
それらは、100年前の「光の氾濫」のきっかけとなった大罪人「光の戦士たち」の遺体が罪喰い化した存在だと言われている。
プロネーシスは、この四使徒の一角「大魔道士ナイルベルト」の肉体を持った罪喰いである。
数年前からアム・アレーンにて度々人々の命を奪い続け、遂には懸賞金までかけられているようだ。
……なるほどね〜。
そんだけヤバい相手だったら、例え懸賞金を山分けにしてでも仲間が必要ってもんだよね。
よーし、うにもバッチリ手伝っちゃる!
危険な存在を野放しにはしておけないし……あわよくばお金欲しいもん←
ところがゴルゴ14ケリッグは、うにが彼の策に必要な能力を持っているか見せてくれ、だって。
でもよく考えたらそりゃそうか。
仲間になるということは、互いの命を預かるということ。
それなら最低限必要な能力ってもんがあるよね、うん。
いやあ、どこの世界でも固定探しって大変なんだなあ……知らんけど←
アム・アレーンヘ
え 戦闘でこんなに褒められたことない
泣いていい??;;
うにが(というかバハムートが)ほんのちょっぴり力を見せると、ケリッグは大喜び。
まあ原初世界では英雄とか呼ばれちゃってるし?これくらいはね??(ドヤァ)
かくして、ここに対プロネーシス戦の固定が爆誕したのであった
吸引力の変わらないただひとつの「穴」
正式に仲間になったというわけで、ケリッグが根城にしているモルド・スークへ。
そこで彼は、もう少し詳しくプロネーシスの話をしてくれた。
目撃者によると、プロネーシスが現れた時には空中にポッカリと穴が空くらしい。
この穴は「虚ろ」と呼ばれていて、周りにある何もかも吸い込む。
近くにいた人、生物、モノ──その全てを。
プロネーシスは自発的に人や集落を襲ったりはしない。
しかし出くわした相手には、容赦なくこの「虚ろ」を放ってくるようだ。
うーん……つまりどうすれば^^;
吸い込まれるから近寄れないし、かといって弓で攻撃しても矢が吸い込まれちゃうんでしょ?
そりゃみんなお手上げ。懸賞金はうなぎのぼりってわけだ。
しかし前向きなケリッグ君、そんなことではへこたれない。
「虚ろ」が魔法的な現象である以上、その対策を練るには高度な魔法学の知識が必要……
って、あんたまさか
『「虚ろ」の対抗策さえ見つければ、勝機があるということ。
俺は、そう考え腕のいい魔道士を探していたのさ』
【超悲報】ケリッグ、痛恨の人選ミス
なぜその重要な役割にうにを選んでしまったのか
見る目の無さに全アム・アレーンが泣いた
魔法が使える=頭がいいってわけじゃないんだぞ!
……ってかそもそも、ケリッグにはなんか策があるような言い方してなかった??
その策の内容ってもしや、「策を考える人を探す」ってこと……??
くっそww他力本願ww こんなん笑うわwwww
はあ……こんな時にヤシュトラやウリエンジェ、アルフィノがいたらなあ(ブーメラン)
うにの溜息が、アム・アレーンの砂煙に紛れて消える。
ケリッグが情報収集を行う間、ふたりは暫し別行動を取ることとなった。
その「穴」出口か入口か
そういやケリッグどうしてるかな〜と思って、モルド・スークに寄ってみたよ。
そしたら、ちょうどプロネーシスの目撃情報が入ったところだったんだって!
あれからケリッグは、機械人形を「虚ろ」に近づけることで危険範囲を測るっていう作戦を思い付いたみたい。
天才か?? 正直見直した(手のひらクルー)
人形の修理に足りない材料があるとのことなので、一部はうにがチャチャっと調達〜。
そして、プロネーシスの目撃された現場で待機することに。。
・・・・・・
も〜まだ焼きイモ焼けてないのに〜……って、プロネーシス?!
あれがプロネーシス、そして「虚ろ」か……。
穴の向こうは一点の光も射さない、まさに漆黒の闇。
あんなところに吸い込まれたら……きっとどんな生物も生きてはいられないよね。
そもそも空間としての拡がりはあるのか、それともあの中に入った瞬間すべてが無となり──肉体やエーテルすらも闇に溶けてしまうのだろうか。
……ううっ、考えただけでも身ぶるいしちゃう
準備しておいた機械人形も、ある程度近づいたところで闇へと呑まれていった。
……慎重に、慎重に。
吸い込まれない範囲まで、ケリッグと共に歩く。
ふたりの髪飾りが、「虚ろ」に吹き込む風に揺れる。
その風を感じたケリッグも、うにと同じことを考えていたみたいだった。
・・・・・・
あれ……?なんか聞こえる……?
突然、どこかから男の子の声が聞こえてきた。
いや、「どこかから」なんて曖昧なものじゃない。でもそんなはず……まさか……
なんと、声は「虚ろ」の中から聞こえてきたのだ!
そしてどうやら、ケリッグにはこの声が聞こえてないみたい。
こうなったらうにが何とかするしかない!!
ぷつぷつと途絶えつつも聞こえてくる、悲痛な呼び声に耳を澄ますと……
『おね、がい……助けて!」
『道が、なく……どっちに進め……いい、か……。
ここには……地脈も風脈も……
せめて、エーテルの流れ……辿れれば……!』
エーテルの流れを辿る、って具体的にどうすればいいの?!><
うにがワタワタしていると、ケリッグからのナイスアイディアが。
「エーテライトに交感する時のように、『虚ろ』の中にエーテルを流し込めば」って……
それだ!
お願い……届いて!!
・・・・・・
「虚ろ」から現れたのは、ごく普通の少年だった。
不幸中の幸いというべきか……特に目立った外傷はないみたい。
今は脱出時の衝撃か、気を失っているみたいだけど。。
とりあえずこの子を連れて、モルド・スークへ帰還。
ケリッグも言っていたけど、きっとこの子は過去に「虚ろ」に吸い込まれた被害者だよね。
でもほんと、なんでこの子だけが戻ってこれたんだろ?
てっきり「虚ろ」って一方通行の穴だと思いこんでいたんだよなあ。
今までこっちに戻ってこれた事例なんてなかったみたいだし。
うにとケリッグの考えだけじゃ、いくら考えても推測の域を出ない。
それよりは、この子が目を覚ました時に話を聞かせてもらうのがいいよね。
そして保護者を見つけるまでは、ケリッグがこの子の面倒を見るつもりみたい。
え!ケリッグめちゃめちゃいいやつじゃん!
うにも子どもの面倒見るなんてやったことないからなあ。パパリモ……と思ったけど、42歳とかいう衝撃の事実だったし
ま、美味しいお肉でも食べれば元気でるよね!
うにも今度お土産持ってくる〜。
「虚ろ」から現れた少年との邂逅を果たした、うにとケリッグ。
この出会いは偶然か、或いはクリスタルの導きか。
その本当の意味を知るのは、まだ先の話──。
【つづく】
時は第一世界が未だ光に包まれていた頃……彼女が「闇の戦士」と呼ばれる前に遡る。
ここはクリスタリウムの彷徨う階段亭。
召喚士うには「はぐれ罪喰い」を討伐せんと意気込む、若き賞金稼ぎの男に出会った──。