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古代アラグ帝国の時代、魔科学研究所の最深部に封じられた三闘神。
かの三体は故イシュガルド教皇・トールダン7世の干渉により、覚醒の兆しを見せていた。
光の戦士・うにをはじめとした暁の血盟は、謎の少年・ウヌクアルハイに出会う。
三闘神について知った彼らは、これらを共に討滅する決意を固める。
そして手始めに魔神「セフィロト」の討滅に挑み、これを成功させた。
続く戦いの相手は、闘神ではなく……蛮神の力を利用せんと企む帝国の将・レグラ。
レグラをはじめとした帝国軍第VI軍団は、魔科学研究所に保管されているという「蛮神を制御する理論」を狙っていた。
しかしそれは暁の血盟さえ知りえぬ機密情報のはず。なぜ帝国軍がこの情報を握っていたのか──
それは、ウヌクアルハイの仕掛けた罠によるものだった。
ウヌクアルハイは、味方である暁の血盟までも利用することで、帝国軍の殲滅を狙っていたのだ。
レグラを退けた後、ウリエンジェに真相を見破られたウヌクアルハイは謝罪。
後悔の念と信頼の証として、自らの特殊な能力、そして異なる次元で起こった出来事を打ち明けた。
女神「ソフィア」
次の計画は女神「ソフィア」の討滅。
既にヤシュトラが覚醒の危険を察知していたみたい。
事態はいつの間にか差し迫った状況に!急がなきゃ!
急ぐためにも、アジス・ラーのエーテライトの位置なんとかしてw
大慌てで現場に来てみたら、クルルさんもこれまた大慌てで駆けてきた。
え、こんな時に敵襲?!
むきー!この忙しい時にどいつもこいつも!みーんなまとめて蹴散らしちゃる!!
ヤシュトラとウリエンジェの元へ行ってみると、見慣れない不気味な姿の人を相手に応戦中。
なんだろう、この人たちの姿……単純な種族の違いじゃない。
黄金の瞳には、まるで生気が感じられない。なんだか亡霊のような感じ。。
『女神は死なず、天空の繭より再誕す。
暴虐なる龍王を傍らに、天の秤もて神罰を下さん……』
日本語でおk
超える力のおかげで彼らの言葉を聞き取ることはできたよ。
内容は……えーっと、あとでウリエンジェ先生に聞いてね^^;
そして彼らは『我らが女神は、すでに目覚めた!』という、衝撃の事実を告げて去っていったのだった。
ウリエンジェの推測では、さっき襲ってきた人たちは女神ソフィアのテンパードということみたい。
南方大陸(恐らくメラシディアのこと)ではアラグの侵攻への対抗手段として、蛮神を召喚していたらしいし。
それにうにたちのことをアラグの民と勘違いして、敵意をむき出しにしてきたしね。
何はともあれ、女神ソフィアが本当に覚醒してるならまずい!
急いで討滅に向かうよ!
「穴」と計画(ソフィア討滅戦後)
ウヌクアルハイは、閉鎖区画でテンパード化したと見られる帝国兵の遺体を発見していた。
既に覚醒状態に近かったソフィアは、閉鎖区画に迷い込んだ帝国兵をテンパード化させた。
そして封印を解かせることで、さっきの従者たち(ヤシュトラたちを襲ったテンパードのことね)を解放したみたい。
そしてなんと、ソフィアの拘束具には保安上の「穴」があったんだとか。
当時の南方大陸諸族は、アラグ帝国に対しほぼ敗北が決定しつつあった。
そこでソフィアと従者たちはわざとアラグに囚われることで、その中枢へ……
そして自らその拘束を解くことによって、一気にアラグに大打撃を与える計画を立てていた。
そして先ほどの従者の言葉↓は、
『女神は死なず、天空の繭より再誕す。
暴虐なる龍王を傍らに、天の秤もて神罰を下さん……』
を指しているのではないかっていうのが、ウリエンジェの推測。
* * *
もちろんこんなことをすれば、霊災レベルの大惨事は避けられない。
そうなったら、被害に遭うのはアラグだけじゃない。
南方大陸だって、きっと無事では済まされなかったはずだ。
けれどほぼ敗北が決定していた側としては、死なばもろとも。
可能性がわずかにでもあるなら、それに賭けてみたかったのかも。
もしくは復讐……という気持ちもあったのかな。
「復讐からは何も生まれない」。
わかっていたって、簡単に割り切れることじゃないから。。
結果的にこの計画は事前に露見し、実行されることは無かった。
戦争は、いつの時代でも恐ろしい。
そして、国や自分以外の誰かの為に戦うという「大義名分」は、いつしか自分の良心さえも麻痺させていく。
そんなもの、何の免罪符にもなりはしないのにね。。
自らの犯した罪が例え世界中の全員に赦され、あまつさえ賞賛され……
いずれ忘れられたとしても。
ただ一人、自分だけは覚えているんだ。
誰かの「大切」であった人の生命を奪ったことを。
うにも戦いに身を置く者として、このことを忘れちゃいけないなって思った
「英雄」の覚悟
石の家に戻ると、暁の間にヤシュトラがやって来たよ。
何でも、ウヌクアルハイに話があるんだとか。
おつかれさま〜!
って、……あれれ。なんかいつもよりちょっぴり怖い雰囲気?
魔科学研究所に眠っていたソフィアのテンパードは全て、何者かに抹消されていた。
これを実行したのは、ヤシュトラの読み通り、ウヌクアルハイだったのだ。
丸っこい機械?とお話してたのは見たけど、まさかそんなことしてたとは……
全然気づかなかったよ。。
この行いは、もちろんウヌクアルハイなりの考えがあってのこと。
今までに討滅したセフィロトもソフィアも、球状のものに封じられていた。
だか、それらは単なる球体ではない。
蛮神バハムートを封じ、第七霊災のきっかけとなった衛星「ダラガブ」の雛形だったのだ。
これらを放置すれば、新たな霊災の原因となる可能性がある……
そう感じたウヌクアルハイは、テンパードを抹消したのだった。
「無抵抗のテンパードの生命を奪うような行為は、英雄たる光の戦士には相応しくない」
ウヌクアルハイはそう言ってくれたけど……
やめて>< 私のために争わないで><
……ゴメン言ってみたかっただけ←
でもヤシュトラの言ってくれた通りなんだよな。
蛮神と戦うということは、必要があればテンパードとも戦うということ。
つまり、人の生命さえ奪う可能性があるということなんだ。
その覚悟、うにはとっくにできてるよ。
そしてそれは、暁の血盟のみんなだってきっと同じだ。
罪も罰も、全て受け止める覚悟はできている。
だからウヌクアルハイが、ひとりで全てを抱える必要はないんだよ。
そして最後にヤシュトラは、ソフィアのテンパードが目覚めた理由について、新たな情報をもたらしてくれた。
帝国軍の中からテンパードになった者が現れたのは、偶然なんかじゃなかった。
レグラの率いる帝国第VI軍団の中には、彼の才を妬み、失脚を狙う工作員が紛れ込んでいる。
つまり、今回の危機は技術的な欠陥によるものなんかじゃない。
人の悪意によるものだ、ってことだよね。。
悪意、妬み、願い……
そうした想いが積み重なって、いつしか世界を滅ぼすまでの力となる。
蛮神は、確かに脅威だ。
でも本当に「蛮神だけ」が脅威なのだろうか?
──例え全ての蛮神がいなくなったとしても、人の戦いは終わらないのかもしれない。
* * *
時代は変われど、人の営みは根本的には変わらない。
それでも前を向いて歩みを止めるな。
『英雄に悲しい顔は似合わない』。
盟友の最期の言葉を胸に、うには残り一体となった闘神の討滅に向かう──。
【つづく】
更新情報はtwitterでもおしらせするよ
英雄たるもの、勝利の美酒に酔いしれている暇はない。
次なる闘神の覚醒の刻は、もうすぐ──。