このページは、漆黒編エクストラクエストの2話目です
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奪えなかった心
「すべての元凶」を追うサイエラとの旅は、きっとここで終わる。
次の集合地点であるレイクランドのラクサン城に現れたのは、武装したサイエラだった。
やっぱり彼女こそがシルヴァ、そして「影の王」の正体だったんだ。。
すると、過去視が発動して……
「影の王」の過去
浮かび上がった映像の中の景色は、ラクサン城。
追い続けてきた「影の王」の正体がシルヴァであったことを知り、衝撃を受けるアルバートたち。
シルヴァは、仲間たちが捨てた心を自身の力に変えたことを告白し、そしてこれからアルバートにも心を捨てさせると宣言する。
アルバートが捨てるのは「友愛の心」。
旅の中で友情を育んだ仲間・シルヴァに斧を振り下ろせば、彼はその心を捨てることになるが……?
* * *
過去視から意識が戻ると、サイエラは存外落ち着いた様子でこちらを見ていた。
そしてぽつぽつと、自身のこれまでについて語りだした。
第十三世界で「闇の氾濫」が起こったことで、その対極に位置する第一世界では「光の氾濫」が起こりかけていた。
そうなれば、第一世界も統合する価値の無い虚無の世界となってしまう。
世界の統合を目標とするアシエンにとって、これは何としても回避したい事態であった。
これは詳しく触れてなかったけど……
ウヌクアルハイと同様に、「故郷を救えなかった代わりに、原初世界を救うため」(純粋な正義感)ってことでよいのかしら
ウヌクアルハイに関する詳細
アシエンたちがサイエラに与えた任務は、「英雄一行に仲間として潜り込み、密かに力を奪いつつ彼らの歩みを止めること」だった。
アシエンたちは、サイエラに時間稼ぎをさせつつ、折を見て原初世界で霊災(=統合)を起こすつもりだった。
だがこの計画は、失敗に終わることとなった。
失敗の原因は、アルバートが最後まで「友愛の心」を捨てなかったことだ。
彼は確かに英雄であったが、シルヴァの友として彼女を本気で救おうとすることもまた、諦めなかった。
彼の友愛の心は、何者にも脅かすことなど出来ないほどに強かったのだろう。
第一世界に来てからアルバートのことをたくさん知ることができて、それを本当に強く実感できたよね。。
かくして「光の戦士たち」はアシエン・ミトロンとアログリフを討ち……
やがて懸念されていた通り、光の氾濫が起きてしまった。
「四使徒」、覚醒
光の氾濫が起きてからも、サイエラはこの世界で生き続けていた。
「不滅なる者」と化したサイエラは、簡単に命を落とすこともなく、これから起こりゆくすべてを見届ける責任感にも駆られていたのだ。
そうして日々を過ごしていく中、数年前に「四使徒」が現れたという情報を耳にすることになる。
タイミング的に「君の仲間が第一世界に渡ってきた時期」となると……
サンクレッドがこっちに来た5年前くらいなのかな?
アシエンがドン・ヴァウスリーに命じて、四使徒を作り出したのではないか?とサイエラは考えていた。
四使徒は、かつてサイエラ自身が裏切ったはずの仲間の成れの果てだ。
しかし彼女は後悔か罪悪感か、この惨い現状を知り義憤に駆られることになる。
四使徒と化したかつての仲間に、せめて安らかな眠りを。
そう思ったのだろうか、サイエラはクリスタリウムへ移住。
彷徨う階段亭でウェイトレスとして働き始める傍ら、罪食い狩りの賞金稼ぎを集め始める。
いつか訪れるであろうアシエンの敵……四使徒を討伐しうる力を持つ者と、彼らを引き合わせるために。
影の、そして真実の英雄譚
すべてを語り終えたサイエラは、憑き物が落ちたかのように穏やかな様子だ。
そして自分を「影の王」として討ってもらいたい、と……。
その「お願い」は聞けないよ。
うにはン・モゥ族じゃないから、そんな神妙にお願いされたって全然効かないもん。
それにこの状況で命を終わらせて欲しいだなんて、単なる逃げや甘えでしかない。
そんなの、自分が抱えた重みに耐えきれなくて、他の誰かに背負わせようとしてるだけじゃん。
責任を取ったことになんかならないよ。
ここでサイエラの命を奪わないのは、見逃そうとする優しさでも慈悲の心でもない。
「自分の責任は自分で取れ」。そういう罰だ。
うにの言葉が、サイエラにどこまで伝わったのかはわからないけど……彼女はもう一度、生きることを決意してくれた。
彼女はこれから彷徨う階段亭で「真実」を伝える語り部となるらしい。
大罪人と呼ばれた「光の戦士たち」、彼らの名誉を回復するため。
今はまだ生きていくのが辛いと感じるかもしれない。。
でも「生きる理由」があるから、きっと大丈夫だよね。
いつの日かまた、前を向いて歩いて行ける。
……サイエラの語る物語が、ノルヴラント全体に広く広く届くといいな。
うにもいつかもう一度、あの物語を聞きに行くよ。
今度は楽しく、ほろ酔い気分でね!
【影の英雄譚・完】
続編クエスト
「ヴォイド再生計画」の記事はこちら
サイエラの故郷は、「第十三世界」。通称「ヴォイド」。
元はウヌクアルハイの仲間であり、そして「英雄になれなかった者」のひとりだった。
彼女はアシエン(ミトロン、アログリフ)の誘いに乗り、次元圧壊を起こすためにこの世界に送り込まれた。